あなただから
描かれた“偶然”
酷い女のシュートは最悪だ
打って、打って、打って、打って、打って、打って。
それでも収まることのない胸の中に渦巻く感情。
打って、打って、打って、打って、打って、打って。
それでも脳裏を離れない笑顔、背中。
きっと今の私は、プレーヤー失格だろう。
足元がふらつく“自分”のままで、こうやってシューティングしているのだから。
八つ当たりだったり、渦を打ち砕くために使用するなんて、最低だ。
それでも、こうしなければ忘れられないのだ。
大好きなことに没頭すれば、きっと忘れられるだろうともう一人の自分は言う。
体育館の床に散らばるボールが、静かに私を見つめていた。