あなただから
大きく伸びをして、溜息を吐く。
今日はついていないな。
朝から神田君と会い、そしてさっきは彼へのラブレター。
危うく、聞きたくない“言葉”まで聞かされそうになった。
一番関わりたくないのに。
きっとそれを思っているのは、私だけではないだろう。
彼もまた、絶対にそう思っているはずだ。
――ガチャッ。
まるで考えている行為を妨げるかのように、ドアが開く音が耳に届いた。
目だけをそちらへ向けると、
「ラブレター貰っちゃった」
という、なんとも暢気な声を発しながら一人の男子生徒が立っていた。