家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)
さあさあ、伝えましょう
巳波におんぶしてもらってからは、脅かしてくる人に怯えなくなっていた。
このままだと眠っちゃいそう…。
ウトウトと瞼が閉じたり開いたりしながらあたしは懸命に意識を保つ。
ここで寝ちゃったらいつ言うの。
今妥協しちゃったら、きっとまた後で言えばいいやという無限ループにまんまとハマってしまうだろう。
それだけは阻止したい。
右頬をつねり、無理矢理目を覚まさせる。
大分、痛かったけど眠気はある程度抜けた。
薄暗闇の中、とうとう進んで行く方向に一筋の光が差し込んでいる場所が見えた。
きっとあそこが出口。
ここまで長かったぁ。
教室1個分のお化け屋敷だよね?
と思わずクエスチョンマークをつけてしまうほど。
精神的にあたしは言葉で言い表せないくらいやばかった。
ズンズンと巳波は怖がらずに光が差す方向へと進んで行く。
やがて行き止まりになり、暗幕を持ち上げればそこはさっきまでとは違う明るい世界が広がっていた。
よかったと安堵のため息をつくと共に物凄く視線を感じる。