家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)


家に置いてある求人誌をパラパラと捲り、目を通していく。


あまり遠くない所がいいんだけどな。


まぁ、そんなこと言ってる余裕なんかないか…。


そんなことをしている内に時計を見れば2時間はゆうに経っていた。


そういえば…柚ってどこでバイトしてるんだっけ?


バイトのことを柚から聞いていない気がする。


再びカレンダーに目を通すと時間だけではなく、店名も記入されていた。


「……」


行ってみてもいいよな?


行って怒られたらただの偶然だと言い張れば何とかなるだろう。


適当なものに着替えて、バイクに乗り込む。


時には有言実行っていうのもいいよな。


近所迷惑になるからと柚に言われて盛大な音を出すこともなく、安全運転で向かう。


あそこには前に行ったことがあるが、クレープもいちごミルクも絶品だった。


無駄遣いなんて許されないからろくなものを頼めないが…心が踊る。


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