家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)
〈__side〉
「…彼、帰って来ないかもしれない」
悲しそうな顔をして、女は女を護るようにして囲む男達に言う。
「あんな奴ほっとけばいいじゃんっ!アイツが居るだけでココの空気が悪くなるんだよね」
吐き捨てるように言い、可愛い顔をした男が忌々しそうに顔を歪める。
「そんな事を言ったら駄目ですよ。彼は必要なんですから。…居場所を護る為には仕方が無いことなんです」
見た目紳士そうな男は笑みを携えながらPCを楽しそうに弄る。
「…随分と嫌われちゃってんじゃねぇの」
棒付きの飴を転がしヘラリと笑い、携帯を弄るチャラそうな男。
「アイツは___の戦力になる。必ず連れ戻す。…それ以外は認めねぇ」
女を後ろから抱きしめ、意思の強い瞳で言ってのける絶対的オーラを放つ男。
「……」
女の瞳は揺らいでいた。
不安なのか、それとも彼が言った“居場所が出来た”という言葉にショックを受けているのかわからない。
「…八尋…」
でも、彼の名前を呼んだ時の女の顔は朱色に染まっていた。
side END