家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)
ドアが開く音が聞こえる。
「おかえり〜」
作っているカレーをかき混ぜながら帰ってきた人物をみる。
「…ただいま、柚」
相変わらず巳波は必要最低限のことしか話さない。
「学校どうだった?」
出来上がったカレーをお皿に移しながら耳だけ傾けるが巳波は黙ったまま。
「…巳波?」
やっぱり、強引に学校に行かせたのはダメだったかな…?
今のあたしの心はお母さん状態。
「別に、いつも通り」
そう言った巳波の表情を確認したくて巳波の方に視線を移すが巳波は背中を向けて制服を脱いでいて確認が出来なかった。
よそり終わったカレーをテーブルに運び、巳波の分のいちごミルクも用意する。
てゆうか
「こんなところで脱ぎ散らかさないでよね」
今、巳波は制服のシャツを脱ぎ捨て上半身裸状態だ。
あたしは兄が1人いるから割と見慣れてるけど、他の男を見るのとはやはり違うし、巳波だからこその色気が凄い。
「柚は…オカン?」
不思議そうに首を傾げる巳波だが、今の状態ではあながち間違ってはいないと思う。
あたしもさっき思ってたしね。
苦笑いをしてその質問を流がす。
だが、やはり巳波はちょっと考え方が違うようで
「…欲情?」
と、言ってあたしに近付いてきた。