家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)
ただ巳波達が出て行ったドアを見つめることしか出来ないあたし。
巳波と過ごして来て、いつの間にか3週間くらい経って、巳波のことをこの3週間で結構わかったと思ってた。
だけど…
「あんな顔、見たことない…」
変な人達を見る時の巳波の顔はいつも無表情で良く分からないけど、いつもよりずっと真剣な顔をしていた。
今だってそう。
あの人達との関係も全然知らない。
もしかしたら、あたしが聞いたら答えてくれるかも知れないけど、でもいつも巳波からは話してくれないんだ。
「…なんで巳波のことばっか、考えてるんだろ」
壁に凭れかかり、手で顔を覆う。
変な人達の中の一人のあの女の子…。
あたしの事を何故だか敵対視してたような気がする。
あの子もあの人達みたいに巳波のことを八尋と呼ぶんだろうか…。
チクリ、
胸の辺りが痛くなる。