家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)


「……ダメ、か?」


いやいや、そんな哀しそうな声色で言われても、いちごミルクって飲み物だし!


それに、いちごミルクが好きなの!?


今流行り?の甘党男子なの?あなたは。


「…うん、ちょっとギャップが凄すぎてごめん、吃驚しただけ。…他は?カレーとか夕食になる物、何がいい?」


…取り敢えず、いちごミルクね。


確か先週買ってあったはず…!


「他は、いらない…」


プイっとあたしから視線を逸らし、拗ねるように言う。


あ…可愛い…。


…じゃなくて!


「いらないって…食べないと健康に良くないよ?」


またぶっ倒れてたら困るのは巳波じゃなくて、その場に居合わせた人達なんだからね。


「…大丈夫」


はぁ…


「駄目、サラダだけでも食べて」


「嫌だ」


…この、我儘男…!!


お前は小学生かっての…。


「サラダ食べなきゃいちごミルクもあげないから」


「っ、食べる」


渋々と言った感じで眉を寄せて答える巳波。


そんなに食べたく無かったのか…。


冷蔵庫からいちごミルクのパックを取り出し、コップに注ぐ。


サラダはバイトに行く前に食べて余ったシーザーサラダ。


「はい、サラダから食べてね」


「……」


ジッと数秒間、目の前に出されたサラダを見てから、ちょびちょびと食べ始めた。


その間にあたしはコンビニで買ったティラミスとモンブランを袋から取り出し食べる。


美味しい…!


口の中にまろやかな甘さが広がって、食感もフワフワしている。


コンビニデザート侮り難し!!

< 6 / 160 >

この作品をシェア

pagetop