家の前で倒れている男に餌付けしてみた結果(仮)
「蛍光は流石にやめた方がいいと思うけど」
「え〜…もうしょうがないなぁ」
取り敢えず蛍光ピンクではなくなったことにホッと溜息をつく。
後は色を作って塗っていくだけ。
簡単で楽な作業。
はみ出さずに、外側はより一層丁寧に塗る。
「で、出来たっ!」
その声が上がった頃には、集中していたため、少し絵の具が腕についてしまっていた。
「やっと終わった〜」
背中を伸ばし、息を吐く。
「良かった、看板が終わらないんじゃシャレにならないもんね」
…文化祭まであと3日。
それぞれのクラスがまだ終わってないものを必死になって作り上げてる所だ。
それに文化祭では、普通は第一校舎の人は第二校舎には入ってはいけないが、文化祭の時だけはお互いに行き来して楽しんでいいと担任が言っていた。
勿論、その言葉を聞いて思い浮かぶのは巳波の顔。
文化祭、巳波はどんな出し物を出すのか色々想像を膨らませて頰が緩む。