お前の居場所は俺んとこ




淘汰からは、ほのかに桃の香りがした。

そのとき、私は我にかえった。

淘汰の胸板を押した。
淘汰は私から体を離す。


「……何してるの?」


「まだ、好きなんだ。梨依のこと。
毎日毎日、梨依のことばかり考えて、
何かするにしても、何も手につかなかった。」


「えっ?」


「彩菜とは、中学の時に知り合ったんだ。
いつも元気でうるさいやつって、思ってた。」



< 155 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop