お前の居場所は俺んとこ




淘汰を見ると、“不機嫌です”って顔をしていた。


「……淘汰?」


遠慮がちに聞くと、淘汰はゆっくり歩き始めたので、私もあとをついていく。
靴箱まで来て、淘汰はやっと口を開く。


「……誰、あいつ。」


靴をしまい、上履きを履きながら聞いてくる。
淘汰は、こちらを見ようとはしない。


「りゅうのこと?」


私が聞くと、淘汰は私の腕を引っ張り、
教室とは反対方向に歩いていく。



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