お前の居場所は俺んとこ




「いいよ。俺がやるし。」


「えっ、何言って……」


私の言葉は遮られた。
淘汰の唇によって。

周りの人たちの視線が集まるのがわかる。


「バカッ。もう、何してるの。
このキス魔めっ。」


私は真っ赤になったであろう顔が恥ずかしく、うつむいた。


「キスしたいの、梨依だけだし。
キス魔になるのは、梨依の前だけ。

もう一回していい?」


「ダメに決まってるじゃん。」


私はそういって、淘汰に背を向ける。
頬に手をあてると、頬は熱を帯びていた。

……あぁ、絶対、顔真っ赤だ。



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