永遠の雪
霜月 初雪
吐き出した空気が、俺の目の前で白く具現化された。

二、三日前から突然下がり始めた気温が、剥き出しの首筋へと突き刺さる。

それにしても寒いな、口から自然に零れ落ちた独り言。

肌寒さから少しでも早く逃れようと、いつもより早足で帰り道を進むと、携帯が少し時代遅れの着うたを奏でた。

サブディスプレイに映る父の文字、珍しいなと思いながら電話に出る。
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