●全力妄想少年●
だが鈴木さんは、非情にもその力作を


「漢字が読めないわ」


と言って僕につき返した。


「振り仮名打った方が良かった?」


僕がそう言うと、鈴木さんは大きくため息をついた。


「そういう問題じゃない!小林くんは、全然っ分かってない!!」


鈴木さんは「どうして勉強が出来る男はこうなのかしら」とぶつぶつ呟いていたが、しばらくすると「小林くん!」と僕にまっすぐ顔を向けて言った。


「愛とはすなわち、『行動』よ」
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