●全力妄想少年●
「……ありえないわ」


僕の話しを全て聞き終わると、中西さんはそう呟いた。
そして僕が「何が?」と問い掛けようとするのを遮るかのように、続けて言った。


「また会いたくて、小林くんはここにいると」


そうです、と僕は答える。


「小林くんて頭良いて評判なのに、たいしたことないんだね」


つい最近、漢検4級に受かったばかりの僕のプライドを、中西さんはずかずかと傷つける。
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