●全力妄想少年●
「中西さんの家は十字路に面しているわよね。女の人が去っていった方向は北。もし南から来たのならバス、東からなら私鉄ね」
鈴木さんは地図を書いて説明する。
僕は今まで、女子はロマンチストで男子は現実にしか興味がないと思っていたけど、全くの逆だったことに気付く。
「ちなみにこの一週間、小林くんは何してたの?」
「ええと……彼女のことを考えながら毎朝鶏にえさを……」
使えないなあ…と小さく、でも僕に聞こえるように鈴木さんは呟いた。
「とにかく、中西さんに、もし彼女の姿を見たら、どっちから来たのか覚えておくように伝えておいて」
やっぱり女子は現実的だ。
さっきまであんなに嫌がってたのに、いつのまにか中西さんの役割まで考えている。
鈴木さんは地図を書いて説明する。
僕は今まで、女子はロマンチストで男子は現実にしか興味がないと思っていたけど、全くの逆だったことに気付く。
「ちなみにこの一週間、小林くんは何してたの?」
「ええと……彼女のことを考えながら毎朝鶏にえさを……」
使えないなあ…と小さく、でも僕に聞こえるように鈴木さんは呟いた。
「とにかく、中西さんに、もし彼女の姿を見たら、どっちから来たのか覚えておくように伝えておいて」
やっぱり女子は現実的だ。
さっきまであんなに嫌がってたのに、いつのまにか中西さんの役割まで考えている。