●全力妄想少年●

・もう少しで

朝の通学路が蝉の鳴き声でうめつくされ始めた7月中旬。


僕が誰もいない朝の教室に一番のりした直後、中西さんが勢い良く教室のドアをガラリと開けた。


「小林くん…!私…見たかもしれない!」


丁度僕はランドセルを机に下ろそうとしていた時だったが、中西さんの突然の言葉に、ランドセルを勢い良く床に放り投げて彼女のもとに駆け寄った。



「何を!?」
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