君愛。
皆がザワザワし始める中、私は混乱しつつ
雄大の元へお弁当を持って行ってみる事にした。


「どうしたんですか?」



「一緒に飯食おうと思って、後敬語辞めていいから。」



それだけ言うなり、先に歩いていく雄大を私は急いで追いかけた。
すると、行き着いたのは屋上。


「屋上で食べるなんて、初めて。」


2人での昼食と、初めての屋上でのご飯にドキドキしながら、屋上の床に2人で座る。

雄大は何を食べるんだろう、と見てみると
手には焼きそばパンを持っていた。

何か、イメージと違う。


そう思いながら雄大を見つめていると、


「何だよ、..こっち見んな。」


顔を真っ赤にさせて顔を背ける雄大の姿があった。

何、この人。


凄い可愛い。


イメージと違いすぎるその姿に、思わず吹き出して笑うと雄大が


「笑うなよ!好きな奴にそんなに見られたら恥ずかしいだろーが!......あ。」


え、待って。
今の、告白って受け取っていいの?
でも私出会ったばかりだし......


彼の言葉に赤面していると、雄大が私を抱き寄せた。


「一目惚れしたんだよ、お前に。俺と付き合えよ。」



私も雄大のことが好きだった。

彼のイメージと違う優しさもそうだし、見た目も格好いい。


心の中で、恋愛感情が芽生えていたのも事実だ。


だから私は



「私も、好き。」


これが、2人の物語の始まりだった。
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