君愛。
私と雄大はつい最近別れた。
別れは本当に唐突なものだった。



別れるきっかけは、雄大の一言からだった。



「別れっか。」



その言葉の意味が私は全く理解出来なかった。


だって、別れるなんて考えられなかったから。


嫌だ、と何度も言った。
でも雄大は何も言わず、私の元から去っていった。



それをキッカケに、私は学校を辞めた。
精神的に落ち着かなくて、本当に雄大のことが好きだったんだ、と思った。



1人、部屋のベッドに座って思い出の写真を見る。



気が付くと、頰を伝う涙。


雄大と別れて何度泣いただろうか。



もう、嫌だ。
雄大が居ないなら、私は______



私はふらふらと部屋から出ると、家の外に出た。


無意識に車道に向かう足。



私に迫り来る車。


これで、もう辛い思いをしなくて良い。



私が死んで、悲しむ人なんていない。


親も、兄弟もいないから。


親は先に逝ってしまい、私は一人っ子。


雄大とも別れたし、学校に行くのも辞めた。
だから、誰も悲しまない。



気が付くと、私の体は強い衝撃とともに飛び
意識が遠ざかるのを感じた。
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