先 輩 へ 愛 を 叫 べ .。
りんside/









昼休み、あたしは

気を落ち着かせるために

中庭のベンチに1人座っていた。







夏乃は委員会の当番だって、

さっき走っていった。















「浮かない顔してんね-」







不意に後ろで聞こえた声。















りん「…お兄ちゃん」


るい「どうした?」







優しく笑いながら、

あたしの横に腰を下ろした。















りん「涼太先輩って、彼女いるんだね」


るい「あぁ…」







お兄ちゃんは少し

戸惑ったように声を上げた。















りん「しかも美流先輩なんて

  あたしには到底敵わないや」







そう言って笑うと、

お兄ちゃんは言った。















るい「あの2人さ、幼なじみなんだよ。

  それでまあ…付き合うことに

  なったらしいんだけど、

  俺も最近まで知らなくてさ」







嫉妬というのか、

悔しさというのか___















よく解らないものが

あたしの中でこみ上げてきた。







すると後ろでまた

新しい声が聞こえた。















りん「___あ、…」







涼太先輩___。















お兄ちゃんは気を利かしたのか、

“用事があった!”とベンチを立った。







るい「涼太、こいつ

  おっちょこちょいだからさ、

  俺が帰ってくるまで見ててくれない?」


涼太「は、え、いいけど___」


るい「じゃあ、よろしくな!」















それだけ言うと、お兄ちゃんは

あたしに満面の笑みを向けて







自慢の瞬足で

走り去ってしまった。











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