俺だって
ーーーーーーーーーーー
「あーうまかった!」
「おいしかったです」


ここのチリソースほんとおいしい。
常連だからといって、デザートもつけてくれた。

「もう、22時!」
「めっちゃ喋りましたね」

店を出ると月がすごき綺麗に見えた。
時間は大丈夫なんだろうか。

「家、心配してない?」
「お母さんはずっとお父さんの病院に泊まってるので全然大丈夫ですよ、弟は修学旅行いってます」
「弟もいるのか!」

いろんなこと知れる。
ほんと今日誘ってよかったなあ。

え、待って。

家一人ってことはこのままお持ち帰りしていいの。
やばい、心臓ばくばくしてきたっ!

「木崎ちゃん」
「はい」
「もうちょっと木崎ちゃんのこと知りたいなー」

頭をわしゃわしゃすると
木崎ちゃんは俯いた。

「だめだったらいいよ」
「え、あ....ん....」

見つめる。

「今日は、ごめんなさい...」

やっぱりそうだよね!

「冗談冗談、じゃあ送るよ」

内心残念がりながらも自分のだめさに
失笑する俺。

ありがとうございますと頭を下げる木澤ちゃんは俺には不似合いなようだ。
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