こいかぜ
横に並んで歩いていると
翔の顔が間近に見える。
すごく綺麗な顔立ちをしていて、
瞳も大きく綺麗。
そんなこと、とうの昔から知っていることだが、
翔の顔を間近で見るたびに
そう思うのだ。
それに比べて私なんかは…
「な、なにっ?」
ま、まずい…
少し見すぎてしまった。
私は何も知らないふりを。
「え…何が?」
「いや、さっきから俺の顔
じろじろ見てたから。
なんか顔に付いてる?」
翔に見惚れてたなんて、
口が裂けても言えない。