白い海を辿って。
早見先生と理瀬さんの会話で、俺は理瀬さんが偶然再会した後も彼女と会っていたことを知った。
それだけでなく、その直前に理瀬さんが離婚していたことに関係しているのではと思った。
そう思った途端、彼女のことが更に気になって頭から離れなくなった。
浮気や不倫に巻き込まれているのではないか、何か傷付けられたんじゃないか、悪い想像は止まらずにどんどん大きくなる。
失礼だと分かっていながら理瀬さんに離婚の原因を聞くと、自分の責任感のなさだと言った。
そんなどんな風にもとれる言葉からは彼女との関係までは分からなくて、俺はなんとか彼女に会いたいと思うようになった。
理瀬さんに彼女と再会した場所を聞き、少ない可能性にかけてその場所へ向かった日、俺はそこで彼女に出会った。
奇跡だと思う。
久しぶりに会った彼女の変わらない控えめな雰囲気と笑顔に、今までざわめいていた想いを確信した。
俺は、ずっと彼女のことが好きだったんだ。