白い海を辿って。
我に返ったのはスマホを元に戻してからで、頭が真っ白になっていた。
信じさせてくれよ。
俺だけを見てるって。
彼女から理瀬さんのことを正直好きだったと言われて、感情が爆発したのかもしれない。
思ったことを何も考えずに口に出した結果、俺たちの間には妙なざらつきが残った。
冷静に考えれば理瀬さんがそんな人じゃないことくらい分かる。
ずっと自分を好きでいてくれると思っていた彼女が俺と付き合っていて、それを知って取り戻そうとしたなんて、理瀬さんはそんな人じゃない。
だから彼女がそう言ったこともまだ理瀬さんへの気持ちが残っているとかそんなんじゃなくて、ただ当たり前のことだった。
どうして純粋に幸せな時間を過ごせないのだろう。
彼女と一緒にいる時間を、後悔してばかりいる。
苦しめて、傷つけて。
苦しんで、傷ついて。
信じさせてくれよ。
懲りもせず同じことを考えてみて、俺が信じてないだけだと気付く。