白い海を辿って。
妻に出会ったのは大学1年の頃で、同級生に『お前に会いたがってる子がいる』と紹介されたことがきっかけだった。
妻は学部は違うが同級生で、偶然俺を見かけて気になったらしく、友人に紹介してほしいと頼んできたという。
出会ってすぐに妻からの告白で付き合い始め、24歳のときに結婚した。
妻は有名ブランドの販売員で、元々派手だった外見はさらに派手になった。
結婚するまで素顔を見たことがなかったほどいつもメイクをしっかりしていて、服からアクセサリーまで身に付けている全てがブランド物だった。
学生時代から男女問わず人気があってモテていたように思う。
実際に妻は美人でスタイルも良く、結婚したときには友人から羨ましがられた。
ただそんな妻がこんなにも地味な俺のどこを好きになってくれたのか、考えても分からなかったし今も分からない。
そして自分が本当に妻を好きだったのかも、今では分からなくなってしまった。