白い海を辿って。
結局ソファーで少しだけ横になり、起こしてくれた彼女と一緒に朝ご飯を食べた。
だし巻き卵に味噌汁、おにぎりが2つ。
『ごめんね、少なくて。』
「いやいや充分だよ。冷蔵庫に何もなかったろ?』
「うん。いつもどうしてるの?」
『卵かけご飯食って終わり。物足りないときは目玉焼きかゆで卵もつける。』
「卵しかないじゃん。」
ようやくケラケラと楽しそうに笑った彼女に心がほぐれる。
少し距離を置かれている気がしていたけれど、それは紛れもなく自分のせいだから、自分でなんとかするしかない。
「それにしてもこの刻みネギが入っただし巻き卵美味いな。インスタントラーメン用に買ったネギがこんな風に活躍するとは。」
『たまにはラーメンもいいけど、栄養とかバランスとかちゃんと考えないとだめだよ。』
「はは、母さんみたいだな。」
2人して顔を見合わせて笑うと、ようやく空気が戻ってきたような気がした。
こんな朝が、またくればいいなと思う。