白い海を辿って。

話さないといけないと思った。


彼とも、そして、先生とも。

今私が彼と付き合っていることを、ちゃんと自分の口から報告しないといけない。

会いたくなったら連絡してもいいですか、そう言ったきりになっていたことを、ちゃんと謝って終わらせなければいけない。



『明日実ちゃんがそれでも一緒にいたいと思うなら、私はもう何も言わない。でも何かあったらすぐに相談しなさいよ。』

「ありがとうございます。」


もう、怖がったりしない。


仕事を終えると、1度自宅へ帰り着替えを持って彼の家へと向かった。

合鍵を使って部屋に入り、夕食を作り始める。

夕食を食べてきたり買ってきたりするかもしれないから、来ていることはLINEで伝えた。


そして夜9時を回った頃、彼が帰宅した。



『ただいま。』

「おかえり。」


玄関でそんなやりとりをすると、彼は嬉しそうに目を細める。

そのまま軽くキスをして、それが少しずつ深くなっていっても、私は彼のコートを掴んだままただ受け入れていた。



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