白い海を辿って。

その後すぐに警察が来て、岸井は連れて行かれた。

過去のこともあるし、くれぐれも俺や彼女には近付かないようそれなりの対応をしてくれるはずだ。


それでもやはり不安だった。


幸せかどうか確認したい、そのために俺の職場まで来るか?

反省していると言いながら、心の奥底では何を考えているのか分からない雰囲気。


もしまだ、彼女のことを好きだとしたら…。


考えるだけでも恐ろしくなる。

大丈夫だと思える日がいつになるかは分からないけれど、今は彼女にとにかく安全な場所にいてほしかった。


そんな生活を始めて3週間近く、彼女は毎日元気そうに電話に出てくれる。

寂しいだろうし不安だろうけど、俺を心配させないようにと頑張ってくれている姿が目に浮かぶようで、会いたい想いでいっぱいだ。


理瀬さんから食事の誘いがあったのも、そんな頃だった。

結局あの日はバタバタしていてほとんど話すことができなかったから、理瀬さんもずっと心配してくれていたのだろう。



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