白い海を辿って。
「え?」
その後で出てきたのは、そんな単純な驚きだった。
「え、え?離婚って…?出て行ったってどうして?迎えに行かなくていいんですか?」
『ははっ、そんな一気に聞かないで。』
沢山の疑問が一気に出てきて慌てる私を横目に、先生はまたあっさりと言う。
「ごめんなさい、聞きすぎました。」
『ううん、そう思うのが当たり前だよね。』
やっぱりとても簡単に言う先生に、重大な話をしているという自覚はないようだ。
『つまらなかったんじゃないかな、俺と生活してても。だから出て行ったんだと思うよ。』
「そんな…。」
『追いかけても無駄なことは分かってるから。向こうも待ってないだろうし。』
聞くこと全てが信じられなかった。
結婚ってそんなものなのだろうか。
つまらないとか面白いとかで簡単に決められてしまうような。
「私はつまらなくないと思います。先生と一緒にいられたら…すごく幸せだと思います。」
そんな言葉が出たのは無意識だった。
素直に、そう思ったから。