白い海を辿って。
先生とドライブをした翌日、先生からLINEが届いていた。
昨日は突然重い話をして申し訳なかった、というような内容で、翌日になって少し後悔してしまうところが先生らしいなと思った。
私はまだまだ先生のことを何も知らない。
きっと、奥さんの方がずっとずっと先生を知っているし理解している。
だけど、遠くても難しくても私はその距離を自分で埋めていきたい。
「先生が話してくれたことが嬉しかったので、私は大丈夫です。またドライブに連れて行ってください。」
そう返事を送ると、すぐに『ありがとう。ドライブ、いつでも行こう。』と返信が届く。
先生はきっと不器用だ。
だから結婚だって失敗するし、奥さんを追いかけることもできない。
だけど私は、先生のそんなところが好きなんだと思う。
これから先生のことを沢山知って、私のことも沢山知ってもらって、いつか助手席に奥さん以外の女性を乗せることがいかに重大なことなのかを話したいと思った。