白い海を辿って。
『1度結婚に失敗してる俺が言っても説得力ないかもしれないし、信じられないかもしれない。でも俺は滝本さんが好きで、ずっと一緒にいたいんだ。』
嬉しいという気持ちで胸が詰まって、言葉がうまく出てこない。
代わりに両手をそっと開くと、理瀬さんが不思議そうな顔をした。
「抱きついてもいいですか。」
『いいよ。』
そう答えると同時にさっと手を取って抱き寄せられる。
理瀬さんの速い鼓動が聞こえる胸の中は、幸せでいっぱいだった。
「1度失敗してる理瀬さんが言うから本当だって信じられます。私も理瀬さんが好きで、ずっと一緒にいたいです。」
『何があっても守るから。』
「私も。」
誰かに守ってもらいたいとか、支えてもらいたいなんてもう思わない。
私も理瀬さんを守って、支える。
そうやって2人で、手を取り合って生きていきたい。
「こんな私を好きになってくれて、ありがとうございます。」
『こちらこそ。』
この日の腕のぬくもりを、私は一生忘れないだろう。