白い海を辿って。
先生の傍では、普通の女の子でいたかった。
そしてそれは、今でも変わらない。
だけどその気持ちをうまく伝える術を、私は持っていない。
『どうして?』
黙ってしまった私に、先生が優しく尋ねる。
どうして?
そう聞かれてもやっぱり答えられない。
先生は受け入れてくれると信じたいけど、離れていかないとも限らないから。
面倒だと言って私と関わるのをやめてしまうかもしれないから。
…嫌だ。
離れてほしくない。
もっと、ずっと、一緒にいたい。
「先生と、ちゃんと話がしたくて。」
『え?』
しっかりしてると思われたい理由にはならないかもしれないけど、伝えられることから伝えていかなければいけないと思った。
「普通に話がしたかったんです。何でもないことを、何でもない風に。」
『うん、したよね何でもない話。』
「ずっとそのままで覚えていてほしくて。」
しっかりしている私のまま、先生の中にいたかった。