白い海を辿って。

『お疲れ様です。』


そこへ青井くんが入ってきて、俺と早見さんの会話は中断された。



『まぁ、あんま無理すんなよ。』


俺の肩を叩いて出て行った早見さんに心の中でお礼を言って、俺も次の教習の準備をする。


続々と教官たちが戻ってくる教官室の中で、微かに青井くんの視線を感じていた。

離婚した俺を心配してくれているのか、どう接すればいいのか迷っているのかもしれない。

気を遣わせてしまっていることを申し訳なく思いながら部屋を出る。



『理瀬さん。』


逃げるように出て行った俺を、青井くんが追ってきた。

少し意外に思いながら振り向くと、いつも朗らかに笑う青井くんの予想外に真剣な表情にぶつかった。



『あの、ひとつ聞いてもいいですか?失礼だったらすいません。』

「いいけど…」

『なんで離婚しちゃったんですか?』


あまりにも直球の質問が飛んできて驚く。

青井くんがそんなことを知りたがることも少し意外だった。



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