白い海を辿って。

「それは、いろいろあるんだけど…俺の責任感が足りなかったからかな。」


あまり深刻になりすぎないようにと自虐的に笑ったつもりだけど、青井くんの表情は固いままだ。



『そうですか。じゃあ、』

『おい、早く行けよ。』


まだ何かを聞きかけた青井くんの言葉を先輩教官の声が遮る。

青井くんは小さく頭を下げると先に行ってしまった。


じゃあ、と言った青井くんは何が聞きたかったのだろう。

分からないけれど、なぜかその表情が頭にくっきりと刻まれていた。


その後は青井くんに話しかけられることのないまま１日の仕事が終わった。

私服に着替えて駐車場へと向かうと、そこで高嶺くんと青井くんと一緒になる。



『あ、理瀬さんお疲れ様です。』

「お疲れ。」


ちょうど車に乗ろうとしていた高嶺くんを見送ると、そこに青井くんと２人になった。



「青井くんも、お疲れ。」


なんとなく気まずさを感じて、すぐに車のロックを外す。



『そういえば理瀬さん。』


だけどドアを開ける寸前で青井くんが話し出す。