毒舌紳士に攻略されて
“毒紳男子”を徹底解剖
巷ではよく、ある男子の特性をある言葉にして一括りにするのが流行っていたりする。
“肉食系男子”とか、“草食系男子”とか。
もちろん私も『どちら派?』って聞かれたら答えられるほど、どんな男子を指す言葉なのか理解はしている。
そんな世の中で、時代の最先端ともいえる新種の“○○系男子”が、私の勤める会社にいたりする。
「佐藤さん、悪いんだけどこれ、お願いしてもいい?」
申し訳なさそうに言いながらふたつ上の先輩が私に差し出したのは、領収書の山。
「分かりました」
大抵仕事に手が回らなくなると、こういう風に押し付けられることもある。
だけどそこは入社一年目の新人の立場をわきまえ、素直に了承するしかない。
佐藤めぐみ。
今年入社したばかりの二十三歳。
昔からおでこが広いことがコンプレックスで、幼い頃は何度男子にバカにされたことか……。それからというもの、すっかりとトレードマークとなりつつあるパッツン前髪と、矯正で無理矢理ボリュームを減らし、ストレートを保っている真っ黒なセミロングヘアを、仕事中はいつもシュシュでまとめている。
“肉食系男子”とか、“草食系男子”とか。
もちろん私も『どちら派?』って聞かれたら答えられるほど、どんな男子を指す言葉なのか理解はしている。
そんな世の中で、時代の最先端ともいえる新種の“○○系男子”が、私の勤める会社にいたりする。
「佐藤さん、悪いんだけどこれ、お願いしてもいい?」
申し訳なさそうに言いながらふたつ上の先輩が私に差し出したのは、領収書の山。
「分かりました」
大抵仕事に手が回らなくなると、こういう風に押し付けられることもある。
だけどそこは入社一年目の新人の立場をわきまえ、素直に了承するしかない。
佐藤めぐみ。
今年入社したばかりの二十三歳。
昔からおでこが広いことがコンプレックスで、幼い頃は何度男子にバカにされたことか……。それからというもの、すっかりとトレードマークとなりつつあるパッツン前髪と、矯正で無理矢理ボリュームを減らし、ストレートを保っている真っ黒なセミロングヘアを、仕事中はいつもシュシュでまとめている。
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