毒舌紳士に攻略されて
『今すぐにでも結婚してもいい彼女』

やだ……坂井君ってば私のことをそんな風に話していたわけ?

頭の中で何度もその部分だけリピートされて、坂井君がそんなことを言ったのかと実感していくうちに、だんだんと顔が熱くなっていく。

ヤバイ。別に坂井君のことなんて好きじゃないのに、両親にそんな風に紹介されていたと分かったら、ドキドキしちゃう。
付き合ってもいないのに、結婚してもいい彼女って言うなんて、普通に考えたらあり得ないしおかしな話なのに、なぜか嬉しいって思ってしまった。

矛盾する自分の気持ちに動揺してしまっている。

とにかく落ち着かせようと紅茶を口に含むと、坂井君はなぜかジッと私を見つめていることに気付いた。

「そりゃ言ったけどさ、まだ佐藤からプロポーズの返事貰ってないから」

「えっ!?」

身体はビクッと反応してしまい、大きな声が出てしまった。

ちょっと待って!
ここまで半ば無理矢理連れて来て、それを今ここで暴露しちゃう!?
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