毒舌紳士に攻略されて

「いやっ！ほら！！今回の場合はさ、私と坂井君ふたりで幹事なわけだし。片方だけ負担かかるのもおかしいでしょ？」

あからさまに不快な声上げられてしまい、早口で話したものの怖くて横が見られない。
しかも坂井君……何も言ってこないし。

ダラダラと変な汗が流れてきそうな勢いだ。

「だからありがとう！場所探してくれて」

膝の上に乗せてある鞄をギュッと握りしめる。

ヤバイかもしれない。生意気なことを言ってしまったかもしれない……！
いよいよ変な汗が流れてこようとした時、目的の店に辿り着いたらしく車は駐車された。
そしてエンジンを切られると、一気に静かな密室空間が完成される。

どうしよう。なにか言った方がいい？それとも何も言わず車から降りた方がいい？
どう出るべきか悩んでいると、ドアが開かれる音が聞こえ隣を見ると、坂井君はさっさと車から降りてしまった。

あぁヤバイ！！坂井君は相当お怒りなのかもしれない！
とにかく謝ろうと思い、車から降りようとしたけれど、自分でドアを開けるより先に坂井君によってドアが開かれた。