毒舌紳士に攻略されて
「そんなわけないでしょ!?そこまで熱烈アプローチされておいて、なにも気持ちが変わっていないとは言わせないわよ!」

つまみの枝豆を振りかざしながら、ここで終わりとは言わせないと言わんばかりに、琴美は話を続ける。

「それにあれだけ陰口言われたり噂されたり、ましてや嫌がらせされているっていうのに、めぐみってば全く動じていないじゃない?最初はずっとビビッていたのにさ」

うっ……!さすがは琴美。
鋭いところを突いてくる。

そしてとどめを刺すように、身体を前のめりにし確信めいた目で囁いた。

「それってさ、めぐみの中でなにかしら変化があったっていう証拠じゃないの?」

「そっ、それは……」

否定したいのに出来ない。
だって琴美の言っていることは正しいのだから。

いまだに自信に満ち溢れた目をキラキラさせて、まるで私の真意を探るように見つめてくる琴美にここで観念し、白旗を上げた。

「……ッ琴美の言う通りだよ!……心境の変化、ありまくりだよ」

半ばやけくそに言うと、琴美はパッと目を輝かせた。
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