毒舌紳士に攻略されて
「本当!?嬉しいな!……じゃあとりあえず乾杯しようか」
そう言うと琴美は、半分以上空になったジョッキをふたつ手に取ると、ひとつを私に差し出してきた。
「坂井に対する気持ちは抜きにして、めぐみが恋愛に対して前向きになれたことに乾杯!」
「アハハ!なにそれ!……でも嬉しい。ありがとう」
ほとんど入っていないジョッキをぶつかり合わせる。
ずっと昔の記憶がトラウマだった。
このぱっつん前髪も、いまだにそのトラウマに囚われている証拠。
でも、今日琴美に打ち明けることができて私の心の中は、明らかに変わったの。
あの時崩れてしまったものが少しずつ修復していくように、あたたかいものが心に満ち溢れていくようだった。
琴美の言うように坂井君の対する気持ちは置いといて、前向きになってみようかな。
ずっとブレーキをかけてばかりいた恋愛に対して――。
この日は次の日も仕事だというのに、遅くまで琴美と話に華をさかせてしまった。
そう言うと琴美は、半分以上空になったジョッキをふたつ手に取ると、ひとつを私に差し出してきた。
「坂井に対する気持ちは抜きにして、めぐみが恋愛に対して前向きになれたことに乾杯!」
「アハハ!なにそれ!……でも嬉しい。ありがとう」
ほとんど入っていないジョッキをぶつかり合わせる。
ずっと昔の記憶がトラウマだった。
このぱっつん前髪も、いまだにそのトラウマに囚われている証拠。
でも、今日琴美に打ち明けることができて私の心の中は、明らかに変わったの。
あの時崩れてしまったものが少しずつ修復していくように、あたたかいものが心に満ち溢れていくようだった。
琴美の言うように坂井君の対する気持ちは置いといて、前向きになってみようかな。
ずっとブレーキをかけてばかりいた恋愛に対して――。
この日は次の日も仕事だというのに、遅くまで琴美と話に華をさかせてしまった。