毒舌紳士に攻略されて
まさかの再会
「あー寒い！なんで今日はこんなに寒いんだろう」

冷たい北風が吹き荒れた瞬間、琴美は身震いしながら吹き荒れた風に文句を言い始めた。

「もー琴美ってば仕方ないじゃない。冬が寒いのは当たり前なんだから」


十二月中旬。
時刻は十八時を少し回ったところ。
今日は毎月恒例の同期会の日で、仕事を終え琴美とふたりこうして同期会の会場である居酒屋へと向かっている。

「でも良かったよね。先輩達も坂井に言われた日から、めぐみに仕事を押し付けてこなくなったし」

「うん、それは助かったかな」

そうなのだ。
あの日からというもの、先輩達の態度はすっかりと変わってしまい、小さな仕事でさえも押し付けられることがなくなったのだ。
おかげで自分に与えられた仕事だけをこなせばよくなり、残業する日が減った。
それはやっぱり坂井君のおかげだと思う。
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