毒舌紳士に攻略されて
「あっ……!」
「さっさと乗れ」
うっ……!出た!毒舌。
いつまでも車に乗らない私に苛々しているのが分かる。
だからと言ってこのまま一緒に通勤するわけにはいかない。
「あのっ!私、別に迎えに来てなんて頼んでないけど」
勇気を振り絞って自分でも驚くくらい強気な発言をしたものの、すぐにギロッと睨まれてしまい怯んでしまった。
「俺が勝手に来ただけだけど、文句あるのかよ」
そして開き直りともとれる言葉に、返す言葉が見つからない。
文句ならもちろんある。
でも苛々プラス不機嫌さ倍増の坂井君を前に、もう一度反論する勇気はない。それでも車には乗りたくなくて鞄を持たない手は行き場を失くしていると、今度は腕を掴まれてしまった。
「いいから乗れ。人の好意には素直に甘えろって親に教わらなかったのか?」
「なっ……!」
そんなの教わるわけないでしょうが!!
それよりも問題はこの距離。
腕を掴まれ引き寄せられた身体は、坂井君との距離をグッと縮めた。
すると鼻を掠めるのは昨夜同様、柑橘系の香り。
掴まれたままの腕が熱くて、一気にパニック状態に陥ってしまう。
「さっさと乗れ」
うっ……!出た!毒舌。
いつまでも車に乗らない私に苛々しているのが分かる。
だからと言ってこのまま一緒に通勤するわけにはいかない。
「あのっ!私、別に迎えに来てなんて頼んでないけど」
勇気を振り絞って自分でも驚くくらい強気な発言をしたものの、すぐにギロッと睨まれてしまい怯んでしまった。
「俺が勝手に来ただけだけど、文句あるのかよ」
そして開き直りともとれる言葉に、返す言葉が見つからない。
文句ならもちろんある。
でも苛々プラス不機嫌さ倍増の坂井君を前に、もう一度反論する勇気はない。それでも車には乗りたくなくて鞄を持たない手は行き場を失くしていると、今度は腕を掴まれてしまった。
「いいから乗れ。人の好意には素直に甘えろって親に教わらなかったのか?」
「なっ……!」
そんなの教わるわけないでしょうが!!
それよりも問題はこの距離。
腕を掴まれ引き寄せられた身体は、坂井君との距離をグッと縮めた。
すると鼻を掠めるのは昨夜同様、柑橘系の香り。
掴まれたままの腕が熱くて、一気にパニック状態に陥ってしまう。