毒舌紳士に攻略されて
だって私、坂井君の前で泣いて本音ぶちまけちゃったし。……それに石川君から話を聞いた手前、照れ臭すぎる。
全てを私のためにって解釈しちゃうし。それこそ自惚れもいいところだ。
そう分かっているのに、やっぱり最終的にはそこに行きついてしまうんだ。
それはきっと以前からストレートな言葉を言われていたから。
私のこと、本気で好きでいてくれているからって理由に結びついてしまう。
「おい、なに一人でニヤニヤしているんだよ」
「痛っ」
すっかりと妄想の世界へ入り込んでいると、気に食わなかったのか鼻を摘んできた。
すぐに離してくれたものの、鼻に痛みは残っている。
思わず鼻に手を当てていると、坂井君は謝る気配もなくさっさとお店とは逆方向に歩き出した。
「え……ちょっと坂井君どこ行くの!?」
するとピタリと足を止め、なぜか怪訝そうに表情を歪めながら振り返った。
「どこって帰るに決まってるだろ?早くしろ」
「早くしろって言われても、荷物ないし」
「バーカ。佐藤の目は節穴か?」
そう言う坂井君の手にはしっかりと私の鞄が握られていた。
いつの間に!?っていうか「バーカ」とか「節穴」とかずいぶんと失礼じゃない?
全てを私のためにって解釈しちゃうし。それこそ自惚れもいいところだ。
そう分かっているのに、やっぱり最終的にはそこに行きついてしまうんだ。
それはきっと以前からストレートな言葉を言われていたから。
私のこと、本気で好きでいてくれているからって理由に結びついてしまう。
「おい、なに一人でニヤニヤしているんだよ」
「痛っ」
すっかりと妄想の世界へ入り込んでいると、気に食わなかったのか鼻を摘んできた。
すぐに離してくれたものの、鼻に痛みは残っている。
思わず鼻に手を当てていると、坂井君は謝る気配もなくさっさとお店とは逆方向に歩き出した。
「え……ちょっと坂井君どこ行くの!?」
するとピタリと足を止め、なぜか怪訝そうに表情を歪めながら振り返った。
「どこって帰るに決まってるだろ?早くしろ」
「早くしろって言われても、荷物ないし」
「バーカ。佐藤の目は節穴か?」
そう言う坂井君の手にはしっかりと私の鞄が握られていた。
いつの間に!?っていうか「バーカ」とか「節穴」とかずいぶんと失礼じゃない?