毒舌紳士に攻略されて
そして反則なみの笑顔を見せる。
「でもその顔だと、逃げなくてよかっただろ?今の佐藤の顔、すっげいい顔してる」
「坂井君……」
本当にもう反則すぎる。
優しい言葉に嬉しい言葉を、そんな笑顔で言われちゃったら誰だってドキドキさせられちゃうじゃない。
ドキドキとうるさい心臓。
だけど今さらながらも思い出す。坂井君は私のために汗を流しながら探してくれたり、気持ちを引き出してくれたり、そして石川君のことを殴ってくれた。
それなのに私は?
「あのっ、坂井君」
「ん?」
「あの……その、今日はありがとう」
面と向かって“ありがとう”なんて言うなんて、照れ臭い。
それでも伝えたかった。ちゃんと坂井君に“ありがとう”って――。
だけど伝えたというのに、なぜか坂井君からの反応が返ってこない。
でも手はしっかりと繋がれたまま。
不思議に思い顔を上げようとした瞬間、急に腕を引かれ抱きしめられてしまった。
「ちょっ……!坂井君っ!?」
突然の抱擁にアタフタするも、そんな私の身体を離さないと言わんばかりに、抱きしめる力を強めてきた。
「でもその顔だと、逃げなくてよかっただろ?今の佐藤の顔、すっげいい顔してる」
「坂井君……」
本当にもう反則すぎる。
優しい言葉に嬉しい言葉を、そんな笑顔で言われちゃったら誰だってドキドキさせられちゃうじゃない。
ドキドキとうるさい心臓。
だけど今さらながらも思い出す。坂井君は私のために汗を流しながら探してくれたり、気持ちを引き出してくれたり、そして石川君のことを殴ってくれた。
それなのに私は?
「あのっ、坂井君」
「ん?」
「あの……その、今日はありがとう」
面と向かって“ありがとう”なんて言うなんて、照れ臭い。
それでも伝えたかった。ちゃんと坂井君に“ありがとう”って――。
だけど伝えたというのに、なぜか坂井君からの反応が返ってこない。
でも手はしっかりと繋がれたまま。
不思議に思い顔を上げようとした瞬間、急に腕を引かれ抱きしめられてしまった。
「ちょっ……!坂井君っ!?」
突然の抱擁にアタフタするも、そんな私の身体を離さないと言わんばかりに、抱きしめる力を強めてきた。