毒舌紳士に攻略されて
力を強められるたびに、胸が苦しくなる。
「あ―……もう限界。このまま区役所行って婚姻届出してこようぜ」
「はっ!?なに言ってるの!?」
奇想天外な発言につい大きな声が出てしまう。
「だからもうこのまま結婚しようって言ってるの」
「すっ、するわけないじゃない!」
とことんあり得ない言葉に反論すると、なぜか坂井君は急に私の身体を引き離すと、マジマジと顔を見てきた。
「な……なに?」
怒っているような、いないような……。
完全に私は悪いわけではないのに、真意の掴めない表情に弱腰になる。
それでも坂井君は表情を変えぬまま、淡々と話し出した。
「佐藤さ、ずいぶん俺の前でも素を出すようになったよな」
「え?……素?」
「そ。だって最初のころなんて目も合わせようとしなかっただろ?」
うっ……!まさかバレていたとは。
坂井君の言う通りだ。
だって苦手だったし、話したいとも思わなかったし。だから同期会の時も絶対に坂井君の方は見ないようにしていたんだ。
「話したとしてもいつもビクビクしていたじゃん」
それは坂井君がズバズバと言ってくるからだ。それに威圧感半端ないし。
「あ―……もう限界。このまま区役所行って婚姻届出してこようぜ」
「はっ!?なに言ってるの!?」
奇想天外な発言につい大きな声が出てしまう。
「だからもうこのまま結婚しようって言ってるの」
「すっ、するわけないじゃない!」
とことんあり得ない言葉に反論すると、なぜか坂井君は急に私の身体を引き離すと、マジマジと顔を見てきた。
「な……なに?」
怒っているような、いないような……。
完全に私は悪いわけではないのに、真意の掴めない表情に弱腰になる。
それでも坂井君は表情を変えぬまま、淡々と話し出した。
「佐藤さ、ずいぶん俺の前でも素を出すようになったよな」
「え?……素?」
「そ。だって最初のころなんて目も合わせようとしなかっただろ?」
うっ……!まさかバレていたとは。
坂井君の言う通りだ。
だって苦手だったし、話したいとも思わなかったし。だから同期会の時も絶対に坂井君の方は見ないようにしていたんだ。
「話したとしてもいつもビクビクしていたじゃん」
それは坂井君がズバズバと言ってくるからだ。それに威圧感半端ないし。