毒舌紳士に攻略されて
「ありがとう琴美!早速ラッピングしてもらってくるね」

「うん!」

琴美はたまたま適当に手に取っただけかもしれないけれど、助かった。
これならきっと喜んでくれるよね?

渡した時の坂井君の反応を想像しながら、レジへと向かった。



「いやー、でもまさか本当にめぐみが坂井のことを好きになるとは、思わなかったよ」

少し遅めのランチを済ませ、食後の珈琲を飲んでいると、琴美は感慨深そうに言ってきた。

「だって散々興味ない、苦手って言っていたじゃない?」

「まぁ……」

それは否定できない。

「こうなったこと、正直自分が一番驚いていると思う」

あの坂井君を好きになってしまったのだから。

私の気持ちを知っている琴美には、何も隠すことないし正直に話しているというのに、なぜかニヤニヤし始めた。

「さっさと気持ちを伝えればいいのに、変なところで真面目だよね。しかもプレゼントだって真剣に選んじゃうし?」

「それは当たり前じゃない?だって好きって言うのに、電話やメールなんて嫌じゃない。プレゼントだって本当に喜んでくれるものを渡したいし」
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