毒舌紳士に攻略されて
『とにかく俺は真剣だから。佐藤には俺を好きになってもらって結婚する。つーか絶対するし』
あのとき言ってくれた言葉が、頭に浮かんでしまった。
私だって坂井君の言葉を信じたい。
全てが嘘だったわけではないと、信じたいよ――……。
でも怖い。……聞いて真実を知るのが怖いんだ。
坂井君のお父さんが隣にいるというのに、急激に胸が苦しくなってしまい、咄嗟に胸を押さえてしまう。
「あのさ、めぐみちゃん。……俺が言うのもおかしな話かもしれないけど、元気のこと、許してやってくれないかな?」
「――え?」
急にそんなことを言い出したお父さんに、驚きを隠せない。
お父さんは困ったように眉を下げ、笑っている。
そして姿勢を正すと、私に向かって頭を下げてきた。
「えっ、ちょっと待って下さい!頭を上げて下さい」
「いいや、上げられないよ」
そう言うとお父さんは頭を下げたまま話を続ける。
「ずっと上機嫌だったのに、クリスマスイブの日を境に急に塞ぎ込んでいたから、もしや失恋したのかと思って聞いてみたんだ。……そうしたらめぐみちゃんに随分酷いことをしたと聞いてね。すまなかった。でも、元気があんなことをしてしまったのには、俺にも責任があるんだ」
「え?」
どういう意味?
どうしてお父さんに責任があるの?
するとお父さんはゆっくりと頭を上げ、大きな溜息を漏らした。
あのとき言ってくれた言葉が、頭に浮かんでしまった。
私だって坂井君の言葉を信じたい。
全てが嘘だったわけではないと、信じたいよ――……。
でも怖い。……聞いて真実を知るのが怖いんだ。
坂井君のお父さんが隣にいるというのに、急激に胸が苦しくなってしまい、咄嗟に胸を押さえてしまう。
「あのさ、めぐみちゃん。……俺が言うのもおかしな話かもしれないけど、元気のこと、許してやってくれないかな?」
「――え?」
急にそんなことを言い出したお父さんに、驚きを隠せない。
お父さんは困ったように眉を下げ、笑っている。
そして姿勢を正すと、私に向かって頭を下げてきた。
「えっ、ちょっと待って下さい!頭を上げて下さい」
「いいや、上げられないよ」
そう言うとお父さんは頭を下げたまま話を続ける。
「ずっと上機嫌だったのに、クリスマスイブの日を境に急に塞ぎ込んでいたから、もしや失恋したのかと思って聞いてみたんだ。……そうしたらめぐみちゃんに随分酷いことをしたと聞いてね。すまなかった。でも、元気があんなことをしてしまったのには、俺にも責任があるんだ」
「え?」
どういう意味?
どうしてお父さんに責任があるの?
するとお父さんはゆっくりと頭を上げ、大きな溜息を漏らした。