毒舌紳士に攻略されて
「どうするんだよ、これ」
友達も先生も、そして親父も母ちゃんも合格を信じて疑っていなかった。
そんなみんなに言えるか?『落ちました』って――。
言えるわけねぇじゃん。そんなのカッコ悪すぎる。
放心状態のまま、ふらふらと進むうちに人気の少ない中庭へと来てしまっていた。
合格発表に日に中庭に来る人などいるはずなどなく、掲示板の方からは喜びの歓声が聞こえてくる。
それがまた返って俺を惨めな気持ちにさせた。
これが『挫折』というものなのだろうか?
近くにあったベンチに腰掛け、おもむろに空を見上げると、綺麗な青空が広がっていた。
雲一つない青空を見上げながら、冷静に考えてしまう。
合格していたらこんな風に空なんて、見上げていなかったんだろうなって。
合格して当然だな、なんて思いながら勿体ぶって連絡せずに学校に向かっていたはず。
誉める先生には謙虚に『そんなことない』とか言って、喜ぶ親父と母ちゃんには『大袈裟すぎ』とかカッコつけていたに違いない。
友達も先生も、そして親父も母ちゃんも合格を信じて疑っていなかった。
そんなみんなに言えるか?『落ちました』って――。
言えるわけねぇじゃん。そんなのカッコ悪すぎる。
放心状態のまま、ふらふらと進むうちに人気の少ない中庭へと来てしまっていた。
合格発表に日に中庭に来る人などいるはずなどなく、掲示板の方からは喜びの歓声が聞こえてくる。
それがまた返って俺を惨めな気持ちにさせた。
これが『挫折』というものなのだろうか?
近くにあったベンチに腰掛け、おもむろに空を見上げると、綺麗な青空が広がっていた。
雲一つない青空を見上げながら、冷静に考えてしまう。
合格していたらこんな風に空なんて、見上げていなかったんだろうなって。
合格して当然だな、なんて思いながら勿体ぶって連絡せずに学校に向かっていたはず。
誉める先生には謙虚に『そんなことない』とか言って、喜ぶ親父と母ちゃんには『大袈裟すぎ』とかカッコつけていたに違いない。