毒舌紳士に攻略されて
結局そのまま強引に上機嫌なお父さんの運転で、坂井家まで乗せてもらってしまった。
そして到着すると、あろうことかお父さんは家の鍵を私に渡すと、『夜まで帰らないから』と笑顔で言い、お母さんが待つショッピングモールへと戻っていった。
* * *
そして今に至る。
坂井君の家の玄関先で鍵を握りしめ、途方に暮れちゃっている。
お父さんは「鍵を使ってそっと家に入り、元気を驚かせたらいいんだよ」なんて言っていたけれど、そんなことできるはずなどない。
あの時は気持ちが溢れて止まらなくて、若干勢い任せなところがあったけれど、お父さんの車でここまで来た今、冷静になりつつある。
坂井君とはあのクリスマスイブの日以来、ずっと会っていないし、連絡も取っていない。
それなのにいきなり来てしまったけれど……大丈夫かな?
“大嫌い”って言っちゃったし。それなのに『好き』って伝えても、ちゃんと坂井君に届いてくれるだろうか?
そして到着すると、あろうことかお父さんは家の鍵を私に渡すと、『夜まで帰らないから』と笑顔で言い、お母さんが待つショッピングモールへと戻っていった。
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そして今に至る。
坂井君の家の玄関先で鍵を握りしめ、途方に暮れちゃっている。
お父さんは「鍵を使ってそっと家に入り、元気を驚かせたらいいんだよ」なんて言っていたけれど、そんなことできるはずなどない。
あの時は気持ちが溢れて止まらなくて、若干勢い任せなところがあったけれど、お父さんの車でここまで来た今、冷静になりつつある。
坂井君とはあのクリスマスイブの日以来、ずっと会っていないし、連絡も取っていない。
それなのにいきなり来てしまったけれど……大丈夫かな?
“大嫌い”って言っちゃったし。それなのに『好き』って伝えても、ちゃんと坂井君に届いてくれるだろうか?