毒舌紳士に攻略されて
言っている通りだ。
確かに少しは疲れているけど、どこも悪いところなんてない。

「第一どこか悪かったら、こうやってめぐみに会うわけねぇだろ？移したら大変だし」

「えっ……」

当たり前のことを言っただけだと言うのに、なぜかめぐみは驚き頬を赤らめた。

「なんだよ、急に赤くなったりして」

こっちとしては話題がズレてホッとしつつも、めぐみをからかいたい気持ちが膨れ上がる。

「別に俺、めぐみを赤くさせるようなことなんて言ってねぇけど？」

追い打ちをかけるように言うと、ますますめぐみは頬を赤らめていく。
そして次第に視線を落としていく姿に、心底可愛いなと思ってしまった。

最初の出会いでは、ただ単純にめぐみの人間性に惹かれたんだと思う。
それから入社式で再会して、なのに何もしていないというのに嫌われていて、なかなか話す機会が持てなかった。
だけど神様は俺を見捨ててはいなかった。
一緒に幹事をやることになったと決まった時は、どんなに嬉しかったか。
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