毒舌紳士に攻略されて
ふたりに止められながらもいまだに怒りが収まらないのか、興奮状態の高橋君。
室内はさっきからずっと静まり返っていて、みんな気まずそうに視線を落としている。
当たり前な光景だ。
みんなだってこの空気を、どうしたらいいのか分からないよね。
当の本人だってそうなのだから。
「なーなー、処女なんだろ?黙っているってことは本当だって証拠なんだよな?」
それでもなお、からかうように罵声を浴びせてくる状況に、私の心は限界に達しようとしていた。
もうだめ。このままここにいられないよっ。
悔しくて悲しくて、苦しくて。今にも涙が溢れそうになってしまい咄嗟に逃げ出そうとした時。
「つめてっ!!」
急に高橋君の悲鳴が聞こえてきた。
周囲が唖然としている中、そっと顔を上げるとそこには高橋君の頭から水をかける坂井君の姿があった。
坂井……君?
いつになく不機嫌で、隠すことなく怒りを露わにし茫然とする高橋君の身体を押し退けた。
見ていても分かるくらい強くない力にも関わらず、酔った身体は畳の上へと倒れ込んでいった。
室内はさっきからずっと静まり返っていて、みんな気まずそうに視線を落としている。
当たり前な光景だ。
みんなだってこの空気を、どうしたらいいのか分からないよね。
当の本人だってそうなのだから。
「なーなー、処女なんだろ?黙っているってことは本当だって証拠なんだよな?」
それでもなお、からかうように罵声を浴びせてくる状況に、私の心は限界に達しようとしていた。
もうだめ。このままここにいられないよっ。
悔しくて悲しくて、苦しくて。今にも涙が溢れそうになってしまい咄嗟に逃げ出そうとした時。
「つめてっ!!」
急に高橋君の悲鳴が聞こえてきた。
周囲が唖然としている中、そっと顔を上げるとそこには高橋君の頭から水をかける坂井君の姿があった。
坂井……君?
いつになく不機嫌で、隠すことなく怒りを露わにし茫然とする高橋君の身体を押し退けた。
見ていても分かるくらい強くない力にも関わらず、酔った身体は畳の上へと倒れ込んでいった。